メーコックヴィラに長く滞在するときは、右手長屋の一番手前C19という部屋を選んでいた。角部屋が落ち着くのと、自然光が入りやすく、風通しも良いという理由からだった。
生活用品は、殆ど宿に預かってもらっていた。この写真に写っている物ほぼ全てと、外に置いてある自転車だ。
ラジカセでは、日本の短波放送を聴いたり、カセットテープでお気に入りの音楽を流したり。もちろん現地のFM放送も受信できる。その隣にあるのは、PAL方式の小型テレビだ。タイのテレビを視聴するために、秋葉原の免税店で買い込んできたものだ(ちなみにパスポートを提示したら一時帰国中と認められ、免税価格で買うことができた)。これでタイ語のヒアリング能力を高めようと思ったが、効果はあまり感じられなかった。そんなに甘いものではない。
左の木箱には貴重品が入っている。その隣が食材置き場。水を張ったボトルに足を入れてあるのは、アリの侵入を防ぐためだ。この部屋では、蚊とアリとの戦いだったなあ。
三段の棚には、着替えと本の類いが収納されている。
2001年まで、この部屋で毎年数ヶ月を過ごしたが、時間の過ぎ方はいつも不思議に感じられた。1日1日は、とてもゆっくりと感じられる。ところが、あっという間に一週間が経ち、1ヶ月が過ぎ、気が付くと帰国の日が迫っているのだ。1日の長さと1ヶ月の短さ。
短期で、あるいは長期で、利用した宿は数あれど、この部屋での生活が最高のものであったことは間違いない。
2001年、チェンラーイ。