2013年10月19日土曜日

乗るはずの飛行機が


急ぎの用があったので、4月29日のチェンマイーチェンラーイ便をリクエストしたがすでに満席。仕方なく、バスでチェンラーイに到着。今度は帰りの便の予約でタイ航空のオフィスにいくと、顔見知りの職員が緊張した面持ちで、
「しばらく飛行機は飛ばないだろう」
と言う。
「空港に行けば理由は分かる」
早速空港に行ってみると、前日にリクエストした飛行機が、滑走路から外れて横たわっているではないか。しかも落ちたばかりのホヤホヤ、まだ湯気が立ち上っていそうだ。確かにこの飛行機をどかさなければ、滑走路は使いものにならないだろう。
見物のタイ人たちの集団に入っていくと、一人が事故の様子を説明している。
「落ちたのを見たんだ! 3回はずんで火花を散らしながら止まったんだ」
身振り手振りを交えて、唾を飛ばさんばかりの熱演だ。
誰かが、乗客はどうなったんだと言うようなことを尋ねる。
「救急車が来て運ばれて行った」
もしかすると、僕も病院送りになっていたかもしれない。頭の中では、007ジェームズボンドのテーマが鳴り響いている。席がとれなかったことが幸いしたようだ。
新しい見物人が来ると、先ほどのタイ人がまた得意そうに、
「落ちたのを見たんだ! 3回はずんで・・・」
彼は来る人来る人、全員に説明しているようだった。
チェンラーイ、1987年。