チェンラーイ県ロンクン(濁った水路という意味)地区に、ワットロンクンという白いお寺が建設され、国内外の観光客で賑わうほどの名所となった。
度々足を運ぶうち、少し調べてみようと思いたち、TOTチェンラーイで資料を貰ってきた。タイ語で書かれたパンフレットを訳していると、「…完成までには60年を要する…」という一節が気になった。
造っているチャルムチャイ先生(地元では先生と呼ばれている)は1955年生まれだから、着工の1997年から数えたとしても完成は2057年、さて先生は元気でいられるだろうか、という素朴な疑問がわいてくる。
そこでTOTチェンラーイオフィスに出かけ、その点について質問してみた。資料を見せて尋ねてみると、
「確かに60年は長く、先生もおそらく健在ではないでしょう。先生の意志はその弟子たちに受け継がれ、60年を目処に完成に至るという意味なのです」
と、明解な答えを得ることができた。
また、最終的には九つ(9は縁起の良い数字とされる)のエリアに拡がり、ちょうど暦の一周りする60年を区切りにしているが、あくまで予定であるという。
そして建造資金としては、私財を投じるとともに寄付金も受け付けているが、それには最高限度額を設定しているという。これは、一部の有力者から多額の資金を受けるより、少額でもなるべくたくさんの人の協力に応えたいとの、チャルムチャイ先生の希望によるそうだ。
チェンラーイ、2006年。