2014年11月28日金曜日

カセットテープ屋台の想い出


もう20年以上も前のことだ。
パッポン通りの北側、スリウォン通りに、カセットテープを並べた屋台が出ていた。品揃えが豊富なことと、まとめ買いだと値引いてくれるので、よくその店で買い物をした。
ある日、そのカセットテープ屋で、さて何を買おうか物色していると、たどたどしい日本語で声を掛けられた。
「すみません、“雨”という歌が欲しいです。日本の歌です」
同僚の間でこの歌がとても評判が良く、是非カセットテープで練習したいのだと言う。日本の歌は日本語で表記されている。それを読めないタイ人なら、目指す曲を見つけるのはとうてい無理な話だ。
若い女性の頼みとあって、カセットテープの山から一生懸命探しだしたのが、森高千里の“雨”だった。
そのことがきっかけで、誘われるまま近くのカラオケバーに入った。彼女は日本人向けカラオケバーに勤めるホステスだったのだ。
店のカラオケで聴いた彼女の歌う“雨”は、お世辞にも上手いとは言えなかった。
その後、店を再訪する機会はなかったので、カセットテープでの練習の成果が如何なものになったのか、知る由もない。