メーサーイは、街道沿いだけが賑やかな、小さな街だった。
それでも、ここではいろいろな発見があった。ミカン、イチゴ、リンゴ、ウメなど、日本でも馴染みの果物が直売されている。漢字で書かれたお菓子の箱や、海苔、キノコ類なども店頭に積み上げられている。
人の服装も様々だった。山岳民族の衣装や、ビルマ風の服を着た人も、ごく当たり前に見ることができる。
食堂で隣りのテーブルにいた中年の夫婦者に、家に遊びに来ないかと誘われた。直ぐ近くというのでついて行くと、国境を川沿いに東に進んで行く。行った先には、たくさんの若い女性がたむろしていた。この夫婦は、置屋の経営者だったのだ。
チェンラーイ、1985年。